2023.3.22 Wed

キャラクターインタビュー スペシャル企画

小料理屋女将兼歌手 志乃

港区赤坂にある高級和風料理店「忍」。歴史は江戸時代から続く老舗中の老舗であり名店としても知られる。その高級和風料理店から暖簾分けされ、独立後改名、高円寺にひっそりと閑静な佇まいで、庶民から愛され、慕われ続ける小料理屋があった。その名も「将軍」。本家よりも名前が立派だが、本家よりも派手な客層が通うという。

その歴史あり由緒ありの庶民派居酒屋の女将さんは志乃さん。この店を切り盛りして20年とのことではあるが、異色の経歴を持つ。実は知る人ぞ知る歌謡歌手の歌い手として伝説を残し引退。引退理由は育児をするためという理由だったが、今も熱狂的ファンは復活を信じてやまず、店に訪れるたびに、カラオケでその美声をしみじみと味わうらしい。

そんな女将の志乃さんが、つい最近になり、育児からも解放され、店の切り盛りからも自由になる時間ができて、歌謡の歌い手として新曲をレコーディングするという情報が入った。この噂はSNSでバズッて爆発的に広がり、伝説の美声を心待ちにしていた歌謡を愛する中高年が、店に直接大勢押しかけることがあったそうだ。

その新曲についてと、これまでの「将軍」での日々の出来事を回想していただくために、小誌「歌謡でGO!」が志乃さんに取材を試みることになった。

お店の「将軍」についての自己紹介と、志乃さんの自己紹介をたっぷりお願いいたします。
赤坂「忍」から暖簾分けを頂いて、早20年の年月が流れたなんてねぇ…。て、あら、やだ!年バレちゃうじゃないの〜(爆)女将やらせて貰ってます「志乃」ですぅ。「将軍」なんてイカつい名前ですけど『昔取った杵柄』って言うんですか?歌やってた頃のお馴染みさん達で賑わう、気さくな小料理屋ですから、お気軽に暖簾潜りに来てやって下さいね♡

あ、それと、ウチの旦那が作るモツ煮込み!小洒落た小鉢料理も人気だけど、コレと日本酒のマリアージュを味わったお客さんはリピート率120%なのよ!お店は堅っ苦しくなく、気軽に入れて、歌って呑める、小粋な小料理屋さん!って感じです。溢れんばかりの女将の笑顔と関西仕込みの酒のつまみトーク(爆)をサービスしちゃいます。よろしくお願いしますね。私が酔った時にだけ始まる、ディナーショーバリのカラオケショータイムも見所かしら⁉︎てへっ♡このお店は旦那が元気な内はずっと続けるわよ!もちろん、私も手伝える時はお店に立ち続けるしね。皆さんに愛されてなんぼですから!

噂では個性的なお客さんがいるとのことですが、それについて教えてください。
そ!タップする刑事さんたちの事でしょ。あの人達面白いわよ〜♬…。でも、何か呼び合うリングネーム的なのも独特だから、何喋ってるのか分かんないわよ(爆)…。コソコソ話してる時もあるけど、殆どはタップの話であーでもない、こーでもないが始まって、最終的にはよく取っ組み合いになってるわ(爆)それに、ウチの坊主!やっと成人したと思ったら、あの人達に『タップやらない?』て、誘われて、まだ学生の分際で『バイトしてタップシューズ買おっかなぁ〜』とか、ちょっと傾きかけてんの‼︎地に足付けて〜‼︎って、もうヒヤヒヤよっ。
引退から20年。それから育児とお店の経営を長くやられてきたわけですが、歌謡への思いはずっと続いていたのでしょうか?それについて詳しく教えてください。また、新曲についてもお願いします。
もちろん!歌うことは忘れては無かったですよ。子供の頃からずっと人前では歌っていたので、歌は私の血であり肉ですもの。ただ、本当の血を分けた子供を愛し、立派に育てたいって情熱には敵わなかったってだけ。表舞台から退く事は、本当にお客さんが名残り惜しんでくれたけど、お店に立つ事でより近い存在になれると、最終的には歌のお客さんも『頑張れ!』とあと推ししてくれましたよ。だから今でも『顔見に来たよ〜』て、顔ぶれは絶えない!ホント、有り難い事よね♡もちろん常連さんは、私の追っ掛けちゃん達も多いから皆んな歌好きだけど、歌い手だった頃の私を知らない近所の青年団の人達や、ママ友の女子会、その旦那さん達も会社の人連れて顔出してもくれるから、お店は地域密着型でもあるわよね〜感謝。

女将としては、いちげん、飛び込みで来た日に『この店ごと女将買取りたい‼︎』と、言って、今でも毎日通ってくれてる人がいて(笑)歌い手としては亡くなった奥様が大好きだったからと、来る度に、私に美空ひばりさんの『愛燦燦』を歌わせて『女将はホント上手いね〜、また歌手になれるよ!』と、毎回褒めてくれる近所のおじいさんがいて可愛いの。それに私はちあきなおみさんの『喝采』や欧陽菲菲さんの『ラブイズオーバー』に五輪真弓さんの『恋人よ』はもう持ち歌に近いかしら(笑)でも、リクエストで多いのはやっぱり、テレサテンよね〜。

あと…。今回の私の新曲について言わせてね…。題名は『酔いどれ純情商店街』五月雨の中。酔いどれた五十路を過ぎた女が傘もささずに、昔を惜しみながら高円寺の純情商店街を歩くの。昔は良かったなぁ〜と振り返りつつも今の自分も、そう悪くは無いと行き交う男と女をただ見つめながら一人微笑みを浮かべている…。て、感じかなぁ〜きゃーーー恥ずかしー(爆)私が新曲を作ろうと思ったのは、やっぱり求められている内が華だと思えた事と子供にも母の本当の姿、いや、生き様を見せておきたかった…。て、事ですかねーてへっ。

私が引退した時の歌謡ポップスってはたから見たら華やかな時代だったと思われがちだけど、中にいる人間達からしたらもう拷問でしか無かったわよ!今じゃ考えられないパワハラ、セクハラ当たり前の時代でしょ⁉︎安月給でコキ使われたしね〜。でもその分付いてくれたファン達は本物で、歌も人も愛される良い時代だったかな…。今振り返ればよ!それにあの時代はそりゃ、皆んな可愛かったし!今のアイドル団体戦とは違って、一人一人の歌唱力、実力はもちろんの事、個性、所謂パーソナリティーもしっかり持ってないと直ぐ飽きられてた世界だったから、大変だった…。でも、今の人ってみ〜んな、手足も長くて、細くて、踊りも上手いし、曲だっていーものはいーと思うわよ。ただ…。皆んな一緒で個性に欠けるって言うか?曲も、よく聴けば違いはあるだろうけど、歌詞の内容よりビジュアル重視で何だか変わり映えしないって思っちゃうのよね。でも、例外もあって…。最近はねぇ〜Official 髭男 dism とか秦基博とか好きよ〜♡歌上手いし!最近男性も高い声の人達多いわよね〜(笑)あとここだけの話ですけど。パクソジュン♡Netflixで寝る前に観る韓流ドラマね。嵌まっちゃてる。

ごめん話それちゃって…。話は私の新曲に戻ると、歌謡曲は今ブームでしょ。ネットやリモート?今や、面と向かって人と付き合えにくくなった若者達にとってさ、演歌とはまた違う、歌謡曲の人間臭い歌詞やマッタリした曲調は心地良いはずなのよね〜‼︎私の新曲も同じ。ウチの坊主や旦那はもちろんだけど…。やっぱり、ずーっと待ち望んでくれていたお馴染みちゃん達にまずは聴かせてあげたいし若者たちにもね。ただ、新曲後の活動については正直まだハッキリは決まってないわ。もちろん営業で地方を回る事もあるかもだけど、今は昔ほどガツガツもして無いし、『聴きたい』って言ってくれる人が居てくれたらどこだって飛んで行くわよ〜って気分だもん!ま、実質難しいのも知ってはいるけど…。てへっ!…。だから、女将と歌手の両立については深くは考えてなくて。歌は求められれば…でね。感謝、感謝。いつもお客さんには「将軍」と私を愛して、可愛がって下さり、本当にありがとうございます!って気持ちでいっぱい。コレからも、皆に愛され、居心地の良い、そして最高に楽しい場所作りと、歌を提供させて頂きますので、末永くお付き合い下さいね!あ、後、お店に来たら『酔いどれ純情商店街』CDは一人1枚買って帰る事!有線にも電話してよね!そこんとこ、宜しく!!!