2023.2.15 Wed

キャラクターインタビュー スペシャル企画

フラップ刑事

女刑事(デカ)は、やはり異色扱いされがちであり、タップ刑事らが所属する隠密捜査五課でも、それは変わらない。しかし、それはあくまで対外的な評価にほかならない。

タップ刑事の女刑事であり、隠密捜査五課に咲く紅一点の薔薇こと通称フラップ刑事は、今日も街の安全を守るため、凶悪犯罪に目を光らせている。明晰な頭脳は五課でもピカイチとされ、誰よりも早く、美しくタップを刻むという。

その明晰な推理によりフラップ刑事が一躍有名になったのはオペラ座の支配人殺人事件である。

オペラ座の「時計仕掛けのレモン」開演中に起きた、劇場の支配人殺人事件。当時の観客もこの事件の記憶は鮮烈だったという。フラップ刑事は事件直後にかけつけ、見聞し、即座にタップを刻んだという。

あまりにも早く推理したため、当時の関係者も驚嘆し、また、早すぎたため、本当にそうなのか。という疑問も抱いたらしい。

この事件について現在のフラップ刑事に話を聞いてみた。これは一般には表に出ない極秘内部流通の警察広報誌においてである。

隠密捜査五課が出動要請され、いち早くオペラ座の支配人殺人事件の現場に駆けつけたフラップ刑事ですが、この事件を解決に導くまでの時間は実際はどれくらいかかったのでしょうか?
世間では「瞬きしてる間に」などとウワサして頂きましたが、さすがに違います(笑)。オペラ座自体、大変広いので、当初はぐるりと見回るだけで、少なくとも3時間は掛かると見積もっておりました。実際は8分で解決する事が出来た訳ですが、私1人の手柄ではありません。全ての捜査員の働きがあってこその解決です。素晴らしい連携プレーでした。
この事件は、劇場公演期間中に事件が起こりました。つまり、オペラ座での劇の上演中に。この劇の役者が犯人だったわけですが、上演中は支配人に手出しできない。というアリバイがありました。でも、最初から分かっていたかのような推理だったと。まず、その最初の手掛かりはなんだったのでしょうか?
彼女が衣装で使用していた「青いスカーフ」が手掛かりとなりました。事件当時の公演では、彼女は「赤いスカーフ」を着用して舞台に立っていたのですが、本来着用するはずだった「青いスカーフ」が楽屋に置いてあった為です。また、捜査のため館内にいた全キャスト、スタッフ、観劇されていたお客様にロビーに集まって頂いたのですが、その際、彼女と偶然すれ違い、足音の様子が気になり、マークはしておりました。
なるほど…。これは役者と作者と支配人の三角関係があった末の事件でした。男女関係のもつれ。そして、その復讐があったわけですが。犯人だった女性の役者甲田光子被告は、実際、取り調べではどのような女性だったのでしょうか?
私たちは社会で生活する為に、理性を持って行動しております。このような凶行を行なった彼女は、そういった意味では異常性がありますが、本来の姿としては、普通の人間です。むしろ極めて人間らしい感情の持ち主である印象を受けました。
ちなみにフラップ刑事は完全犯罪について、どういう考えをお持ちですか?
そもそも人間は不完全な生き物です。その人間が犯す犯罪に「完全」は無いと思います。
フラップ刑事がいなければ、事件は完全犯罪になっていたかもしれません。それは、フラップ刑事が推理しなければ、事件の糸口が見当たらなかったかもしれないからです。強いマインドコントロールされた別の犯罪者によって事件が行われていたからです。その別の犯罪者は事件後自害しました。彼は甲田光子の熱狂的なファンの一人でした。…当初この事件の犯人は彼だけのはずでした。しかし、それを即座に否定。別の真犯人がいることを見抜きました。なぜ、そのような推理ができたのでしょうか?
真犯人がいる!と感じたのは、やはり直感としか説明がつかず、申し訳ないのですが…。甲田光子をマークし、スカーフの件で事情聴取をしている際、彼女の足音に微妙な変化があり、その理由を私なりに探った中で、真犯人に辿り着いたという状況でした。
直接自分の手を下さずに、一人の熱狂的ファンを誘導して事件を行ったわけですが、この事件は、甲田光子に繋がる直接的な物証が少なかったと言われています。しかも、直接手を下した甲田ファンだった海江田弘も、命を絶ってしまい自供がなかった。のちに、甲田光子と海江田弘は直接会っていたことも分かりましたが、それも周到に形に残らないようにしている。自分に心酔するファンを自分の復讐の道具に仕立て上げたわけですが、これは許せることとは思えません。その犯人の心理状態については、どうお考えですか?
恐らく甲田光子は、意図して海江田弘に罪を促すよう仕向けたのでなかったと思われます。彼女の苦悩を知った海江田弘は「甲田光子劇場」の観客となり、本来の彼女のからかけ離れた「甲田光子」を作り上げてしまったのだと思われます。
サイコパスという定義がありますが、やはり甲田光子もサイコパスだったのでしょうか?サイコパスだったしたら、そのような人格を作り出す原因のようなものはあったと思いますか?
私が捜査、調査を重ねた中では、先程も申し上げました通り、甲田光子はサイコパスな人格の持ち主では無く、極めて普通…。まあ、何を持って普通と定義するか、ですが…。そのような人物ではないと感じています。この件についてはまだ、識者の方々も調査中ですので、断言出来る事ではありませんが。サイコパスな人格を作り出す原因についてですが…。DNAが関係しているのでは?と研究されていたり、成長過程での環境や経験などが要因になると言われておりますが、私は「神のみぞ知る」に尽きるのではないかと思っております。「サイコパス」との定義も、現在の社会においての定義であって、その人格自体が「悪」となる訳では無いと思うのです。
男女関係のもつれが甲田光子の中にサイコパスを生み出したと分析する大学教授や専門家もいたようです。こういう異常人格のようなものを甲田光子は演じていたのか、それともそれが本物だったのか。これについては意見も別れ真相には触れることができていません。警察の公の見解では、異常心理のようなものはあったとされていますが、断定はしていません。今後、このような事件が起きたとき、その犯人の心理状態をどのように捉えるべきだと思いますか?
私は、犯人の足音を聞けば真実が分かるはずだと信じ、それを頼りに捜査しております。異常に感じられる凶行の中にも、時にはその人物にしか理解出来ない真実があるモノです。犯人の足音に心を澄ませ、自分の足音に呼応させる事で、犯人の心理状態を読み取るようにしております。
ちなみに男女関係のもつれで起こる事件についてどのような見解をお持ちですか?
お金が絡む犯罪より、このような男女関係、親子関係、感情のもつれからくる犯罪は、他者には想像出来ない本人たちの真実がある場合が多いので、非常に難しいです。悪魔の所業と思える犯罪でも、裏を返すと人間らしいとも言えますので、正義とは何か?と考える事もあります。
この事件の被害者は殺人に及んだ加害者でもあります。彼の自供がなく、また、甲田光子から形になりそうなものはなくすようにと言われていたらしいので、その物証もありません。あまりに悲劇的な殺人犯だとも一部では言われています。しかし、手を下したことには間違いなく甲田光子の共犯者です。この共犯者についてはどのような見解をお持ちですか?
犯罪を犯した以上、どのような状況であっても罪を償うべき犯罪者です。今回の場合は、いわゆる一般的な共犯者ではなく、海江田弘の暴走であったと思うので、私は決して悲劇的には捉えておりません。海江田弘は満足、達成感を得た上で、自ら死を選んだに違いなく、自分の凶行を良しとして逃げ切られた気がしがして悔やまれます。
甲田光子は、殺人を行った海江田弘についてどのような自供をしたのでしょうか?
甲田光子は、海江田弘に会っているにも関わらず、写真を見せても分からない状態でした。甲田光子にとっては、一回会った事のある一観客、一ファンとの認識しか無いようで、自身の苦悩を吐露出来たのも、全くの他人と思っていたからこそだったようです。「彼は何で殺そうと思ったのかしら?」と、甲田光子が言った言葉が世間では「演じている」と話題になってしまった訳ですが、本当にそう思っている様子で、私もそう感じました。
甲田光子はかなりの嫉妬を劇の作者である海辺努の妻であり劇場の支配人である海辺弘子に感じていたようですが、それについて甲田光子の自供はありましたか?
「愛する事は止められないのだから、ねえ?」と言う、劇中にもある台詞を語るだけで、それ以外の自供を得る事が出来ませんでした。現在も、検察官が捜査を続けておりますが、進展が無いようです。
人を殺めてでも、恋愛を勝ちとろうとする女性の心理について、甲田光子はかなりの性格の持ち主かと思いますが、彼女がそこまで思い詰めてしまった要因はなんだと思いますか?
被害者への嫉妬、海辺努氏への愛だけではなく、様々な要因が考えられますが、何より自己愛が強く、思い詰める過程をも楽しんでいた様子が伺えます。
この事件は報われない恋愛の末起こった悲劇。とされることもありますが、今後も、このようなトラブルが起こりそうな時には、何が大事だと思いますか?
自身自身のBPM(テンポ)を取り戻せるよう、マイルールを設定するのが良いのではないでしようか。私はやはり、我を忘れそうになる時は、フラップを踏みます。
被害者となった海辺弘子さんに対して、何か思いのようなものはありますか?
お悔やみを申し上げるしかありません。
フラップ刑事にとって刑事の仕事とはつまり、なんだと思いますか?
…ここからは、私の話ですか?はあ〜良かった(笑)そうですね…。とりあえず、ちょっと、そのお茶菓子頂いていいですか?すみません、いただきます。刑事の仕事は「犯人を捕まえる」の他無いと思ってますけど。
刑事になろうと思ったきっかけはなんですか?
…お恥ずかしながら「太陽に吼えろ!」に憧れて、です。
もし刑事になっていなかったら、どんな職業に就いていたと思いますか?
幼稚園の先生です。
これとは別に取材をしましたが、隠密捜査五課を纏めるシャッフルステップ警部はフラップ刑事から見てどのような方ですか?
非常に変わってます(笑)。野生的な直感があり、思ったままに行動するので、理解するのに困る事もありますが、概ね頼りになる上司ですね。
隠密捜査五課の中でも、事件の専門性で担当が別れてると聞きます。フラップ刑事は主にどの担当になるのでしょうか?
基本ステップ8を担当してます。
今までで一番捜査が難航した事件について教えてください。
あ〜どれだろう〜〜…。色々あって思い出せません!すみませんっ!
非番の日。とくに事件がなかった時は何をしていますか?
寝てます。一歩も外に出たくありません。
趣味はなんですか?
長風呂です。
座右の銘はなんですか?
「蝶のように舞い、蜂のように刺す」です。
もし、若者が刑事を目指しているとしたら、何と言ってあげたいですか?
まずは、タップの基本ステップをマスターしな、と。
刑事の昼飯は何を食べていますか?
食べれる時に食べれるモノを食べているので、特に決まったモノはありませんが、張り込み中は、やはりアンパンと牛乳が欠かせません。
最後に、今後も市民の安全を守るため悪質な事件を解決していく思いについて語っていただけますか?
ステップを踏めば、真実が見え、犯人を捕まえる事が出来ると信じ、日々精進していきたいと思います!コレ美味しかったです、頂いて帰ってもいいですか?